カクシンハンじゃじゃ馬ならし大分公演特別連載『じゃじゃ馬たちは今夜もねむらせない』第二回

カクシンハンじゃじゃ馬ならし大分公演特別連載『じゃじゃ馬たちは今夜もねむらせない』第二回

第二回
「じゃじゃ馬ならしに出てくる、変わった人たち」

シェイクスピアの戯曲には、変わった人たちが出てくる。普通とはちょっと違った人たちが出てきた方が、僕は好きだ。

古典だから、難しくて、真面目で、高尚な人物が出てくるかといったら、それは違って、シェイクスピアの登場人物は、みんなどっかネジが外れた人たちばかり。僕はそう考えているし、多分、世界中の多くの学者やシェイクスピア愛好家も賛同してくれるはず。特に、今回上演する「じゃじゃ馬ならし」は、変な人たちが次から次に出てくる。

そういう意味では、ストレートな作品ではないかもしれない。音楽で言えば、Arctic Monkeysみたいに、確かに王道のロックだけど、ちょっとふざけた、エッジの効いたところがある。そして、踊れる。登場人物たちみんなが、ダンスホールで、アレックス・ターナーの歌声に合わせて跳ね回ってる。そんなノレる作品が「じゃじゃ馬ならし」だと僕は考えている。この考えに賛成してくれる学者やシェイクスピア愛好家は、そんなにいないかなあ。(そもそもArctic Monkeys知っている?) でも、それくらいハチャメチャな作品であることは間違いない。

タイトルにもある「じゃじゃ馬」は、この作品の主役であるキャタリーナのこと。彼女は手に負えない強烈なおてんば娘。お父さんにも手に負えない。可愛らしいとみんなから大人気の妹のビアンカを、ガンガンいじめる。縄で縛って、椅子でボコボコにする。お父さんを平手打ちなんて、朝めし前。キャタリーナみたいな女性と結婚したら、世の男性はきっと手に負えなくて、ノイローゼにかかっちゃう。きっと、僕なら、尻にひかれるどころか、車にひかれる。

そんなキャタリーナを、お父さんの財産目当てで口説き落とそうと登場するのが、この作品のもう一人の主人公ペトルーチオ。お金が大好きなペトルーチオは、キャタリーナに猛烈にアプローチし、強引にものにし、ものすごいスピードで結婚式をあげてしまう。しかも、ペトルーチオは、キャタリーナを従順な女性に生まれ変わらせようと、強制的に、食事をさせない、眠らせない、着飾らせない、なんてことをする。

ペトルーチオ以外にも、出てくる男はみんな、お金のことが大好きで、女の人のことをモノとしてしか考えてない!そんな変わった人たちが集まって、町中巻き込んで、どんちゃんやっている、そんな作品。

きっと女性の皆さんは、そんな目にあいたくないはず。だから、今回の上演では、そんなバカな男たちは、この世界から一刻も早く消えて欲しいので、バン!と拳銃で撃ち殺す。それも軽快に、寸分の狂いもなく、相手のこめかみめがけて。一流のスナイパーのように、美しく。音楽は、そうだなあ、ウィーンのオペレッタの最高傑作、シュトラウスの「こうもり」かなあ!

こんなことができるのは、演劇だから。それもハチャメチャなシェイクスピアの作品だから。変な人たちが集まると演劇は面白い。きっとシェイクスピアも変わった人で、そんな風に考えてたはず。なんたってシェイク(Shake=心を揺さぶって)、スピア(Speare=突き刺す)だから。

シェイクスピアは真面目だという、頭のイメージを切り替えて、会場に遊びに来て欲しい。

「じゃじゃ馬ならし」は、英語では、The Taming Of the Shrew という題名で世界中に知られている。直訳すると、「トガリネズミのならし方」。つまり、Shrewというのは、「じゃじゃ馬」ではなく、「トガリネズミ」のこと。イギリスでは、おてんば娘のことを「トガリネズミ」って言うらしい。だから、この作品に本当は「馬」は出てこない。でも、カクシンハンの演出では、「馬」がたくさん出てくる。「じゃじゃ馬ならし」は、ここまで話してきた通り、バカバカしい話。バカバカしさの中には、「馬」がたくさん潜んでいる。見つけました?

「そんなの簡単。馬鹿にしないで」って?

失礼しました!
ご来場お待ちしております!

 

木村龍之介

1983年大分県生まれ、両親が玖珠郡出身で、兵庫県宝塚育ち。演出家。
東京大学で文学を学びながら俳優、演出部として創作の一端を担う。2012年にカクシンハンを立ち上げ、自身の創作活動へ。古典を大胆に解釈し、多様な演劇の手法を取り入れた演出で現代と古典のクラッシュ(衝突)を生み、同時代のエンターテーメントとして戯曲に新たな息吹を吹き込む。

 

 

 

- カクシンハンPOCKET03『じゃじゃ馬ならし』大分(玖珠ここのえ)公演 -

【開催日】
2016.07.29 fri – 07.31 sun

【時間】
07.29 fri
13:00 – 15:00 「小・中・高生のための楽しい演劇教室」
20:00 -     「カクシンハンPOCKET03『じゃじゃ馬ならし』」

07.30 sat
13:00 – 15:00 「小・中・高生のための楽しい演劇教室」
17:00 -     「カクシンハンPOCKET03『じゃじゃ馬ならし』」

07.31 sun
13:00 -     「カクシンハンPOCKET03『じゃじゃ馬ならし』」
17:00 -     「カクシンハンPOCKET03『じゃじゃ馬ならし』」

【会場】
玖珠町立わらべの館
〒879-4403 大分県玖珠郡玖珠町大字森868-2
電話 0973-72-6012
大分自動車道 玖珠インターから車で5分(国道387号線)
JR豊後森駅から車で7分
国道210号線と国道387号線の交差点から車で10分

【料金】
前売り料金:大人2,500円/学生1,000円
発売開始:6月29日(水)

【チケットについて】
<前売りチケット販売店>
スガタ文具店、住本商店、大根屋書店、都久屋書店、日野書店
シャインホテルくす、食事処春日、九重のここのパン屋、カモシカ書店

<ネット販売>
https://www.quartet-online.net/ticket/kakushinhan

<電話予約・お問い合わせ>
0973-76-3755(カクシンハン公演春日事務局)
070-6634-2593(劇団制作)

【キャスト】
演 出:木村龍之介
出演者:真以美、穂高、岩崎MARK雄大、阿久津紘平、大津留彬弘(以上、カクシンハン)、杉本政志(劇団AUN)、神保良介

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木村龍之介

カクシンハン主宰。1983年大分県生まれ、両親が玖珠郡出身で、兵庫県宝塚育ち。演出家。 東京大学で文学を学びながら俳優、演出部として創作の一端を担う。2012年にカクシンハンを立ち上げ、自身の創作活動へ。古典を大胆に解釈し、多様な演劇の手法を取り入れた演出で現代と古典のクラッシュ(衝突)を生み、同時代のエンターテーメントとして戯曲に新たな息吹を吹き込む。

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