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チームラボキッズ 馬渡侑佑インタビュー

現在、大分市美術館にて開催中の『チームラボアイランド 踊る!美術館と、学ぶ!未来の遊園地』

チームラボキッズ 馬渡侑佑さんに今回の展覧会の見所、アート作品・未来の遊園地を始めたキッカケ、猪子さん、チームラボに入るには?について聞いてみました!

実はこの馬渡さん、大分県竹田市に魅了され、移住して早くも7ヶ月とのこと。早くも町に溶け込み、竹田の新しい進化に向けてクリエイティブな人材と共にディスカッションしているそうです。これからの竹田も非常に楽しみです!

そんな馬渡さんのインタビューをお楽しみください!

『チームラボアイランド 踊る!美術館と、学ぶ!未来の遊園地』は9月25日(日)まで。

Yadorigi編集長 一尾(以下、一尾)
:これまで商業施設や観光スポットでの開催が多くありましたが、大分で、しかも(大分市)美術館で開催しようと思ったキッカケはなんですか?

チームラボキッズ 馬渡侑佑(以下、馬渡)
:もともと美術館でもやりたかったんですけど、なかなかお呼びがかからなくて。笑。美術館では何度か開催したことはあるんですが、場所とタイミングと、どうしても設営が大規模になってしまうので大きめのスペースと期間が取れる場所の方がやりやすくて、なかなかスケジュールが合わなかったりもするんです。今回は大分市美術館さんの協力がすごくて。本当に助かってまして、大分での展覧会が実現できました。

一尾:大分市美術館ってちょっと丘になってたり、緑溢れる中であったり、特有な場所にあるじゃないですか?他のスペースではない特別な展示方法や工夫された点はありますか?

馬渡:最初から何の作品を展示するかというところで、ここ(入口の階段)に絶対、「憑依する滝」をやりたかったんですよ。どうしても。笑。ここでこの作品ができるのとできないのとではお客さんの満足度もかなり違ってくると思ってるので本当に良かったです。この滝は3D空間の中に岩のモデリングをして上から水の粒子を一個一個落としていってるんですね。無数に落とすことで物理演算が働いてるんですけど、実はこれ、後ろっかわに999個見えない粒が動いてるんですよ。見える粒は1/1000。見えない粒が無数に動いてぶつかることで動きを出していて。コンピュータ上の空間に「Audi R8」を立体的に再現し、コンピュータ上でR8に水を落下させ、水の動きを物理計算し、滝をシミュレーションし、R8を岩に見立てて、実際のR8にプロジェクションマッピングしたり、北野たけしさんが出演されたDMM.comのCMでも使ってもらったことがあります。

一尾:元々はウェブサイトの構築やアプリ開発などを手掛けていたと思うんですが、なぜアートをやろうと思ったんですか?

馬渡:元々、アートはやっているんですよ。ただそんなに大きくはやっていなくて創業当時からアートをしたいっていうのはあって。SI(システムインテグレーション)の方がメインの仕事でシステム開発をしてます。チームラボには400人くらいいますけど、エンジニアやプログラマ、デザインチームや絵師、設計する建築家もいて、いろんなメンバーが今回の展覧会には関わっていて、それぞれの技術を持ち合わせて創られています。自分で言うのも手前味噌な話なんですけど、一人の作家さんが創るモノよりもできるモノの多様性とスケール感っていうのが明らかに違うのは、そういう創り方をしてるからかなとは思いますね。

一尾:作品創りはまず誰かがこういうモノを作りたいっていうのに賛同していくんですか?

馬渡:空間から入ったりしますかね。例えば、武雄市の竹林亭の池に行った時にこういうのを作ったらいいんじゃないかなぁとか。現実的にできるのか。絵師やデザイナーにどういうモチーフにしたら綺麗か。ベースでチームラボがやっている変わらないコンセプト、伝えたいテーマの色っていうのは、作品にもあると思うのでそこに積み上げていくっていう感じですかね。本当にみんなの感性とチームの力が合わさってできる独特のモノだと思いますね。

一尾:アート作品の見所は?

馬渡:「追われるカラス、追うカラスも追われるカラス、そして分割された視点 – Light in Dark」という作品がずっと好きでして、何度観ても鳥肌が立つんです。こういう風に設置しなければ味わえない体感で、YouTubeでも観たりするんですけどぜんっぜん違うんですよね。笑。これを体感してもらいたくてすごく頑張ったので、ぜひ大分の人みんなに観てほしい気持ちです。

一尾:未来の遊園地について、子どもに視点を置き始めたキッカケは何かありましたか?

馬渡:台湾の国立台湾美術館で作品の展示をさせて頂いた時に、日本と違ってアートを子ども達も楽しむっていう文化がすごくあったんですよ。日本だと子どもが美術館で騒いでたら、めっちゃ怒られて、ちょっと嫌な気持ちになりますよね。他の方もいますし、正しいんですけど。これだとアートから子ども達や子育て世代は離れるし、行きにくい場所になるよなぁって思ったんですね。自分でもそれを体感して。台湾のときは、「チームラボボール」とか「メディアブロックチェア」という、重ねたり、くっつけたりすると、色が変わるブロックがあって、子ども達がワァワァ騒ぎながらめっちゃ遊んでたんですよ。僕らはアートとして大人が楽しむっていう体で展示してるのにむっちゃ子どもが遊んでるから、絶対、子ども達はデジタルっていうモノに対して違う見方がもうできるし、こういうモノはもう少し子ども達に向けて違う価値の提供ができるんじゃないかと思ったのがスタートです。キッズの方はキョウソウっていう共に創る「共創」をコンセプトに作品を創ってて、「お絵かき水族館」もそうなんですけど、みんなが描いたぬり絵の魚たちがこういう世界を創ることで何もいなかった水族館が魚たちがいっぱい泳ぐ水族館になるじゃないですか。みんなで創るから面白い体験ができるし、例えば、すごい目立つのもいれば、クオリティーの高いねって思うのもあって、そういうのを観ると子ども達も自分のクオリティーに活かすってことができる空間を作れると思っていて。

一尾:その時は本当の競争になるんですね。

馬渡:確かに。笑。僕の子どもはiPhoneとかパソコンも最近触るようになっちゃったんですけど、1時間とかやってるのを見ちゃうと目が悪くなるんじゃないかと「もう、やめようよ」って言っちゃうので。デジタルとアナログの中間を何か出せないかと思って。ぬり絵をするっていうことがスキャンをすることでデジタルになるとか。アナログとデジタルをMixさせたような空間を作って楽しめるような作品になればいいなぁと思います。

一尾:チームラボの「お絵かき水族館」や「天才ケンケンパ」に触れた子ども達から生まれた創造性に驚いたことはありますか?

馬渡:一番面白かったのは、「お絵かき水族館」を一番最初にやったのは沖縄だったんですけど、一人の子どもが真っ赤なクラゲを描いたんですね。そしたら10分後に真っ赤なクラゲだらけになったんです。笑

一尾:笑

馬渡:他の子が「めっちゃ目立つやん!」ってなって、真っ赤なクラゲをみんな描き始めて。「うわ、これ共創や!」って思って。

一尾:逆に目立たなくなるっていう、、笑

馬渡:本当にそうなんですよ!笑。でも他人のクリエイティブに影響されるっていうのがこんなに目に見えてわかることができたっていうのは、ちょっとゾクッとしましたね。あと子ども達が遊んでる反応を見てるだけで明らかに感じてもらってるモノがあるなっていうのが実感できるんですよ。設営も午前3時くらいまでやってて、竹田に着いたのが4時半とかで。朝6時に起きて子どもとキュウリを収穫するって約束してたので4本収穫して、またここに来るっていう、すっごい大変だったんですけど。笑

一尾:両極端を行ってますね。笑

馬渡:そうなんですよ!笑。でもそういう疲れが吹っ飛ぶ感じが、子ども達のワクワクさとかエネルギーが出てるのを感じるとあるんですよ。

一尾:こういう場を作ることが一つの答えになると思うんですが、ゲームやスマホが発展していく中で、大人に与えられたもので子どもが遊び、鬼ごっこや缶蹴りなど普遍的な遊びは発展や新しいものが生まれにくくなっています。子どもの発想力を育むには何が大切だと思いますか?

馬渡:どうなんでしょうね。全部比定するっていうことはできないと思ってて。そういうもので得られるモノもあるし、付き合い方をどうするかっていうのがまず一つかなと。今おっしゃったように創るっていうことに関して言えば、大人が創ったものにはルールとかゴールっていうのが遊び方の中で始めから決められていて、僕らも自分たちで創っているものはその域を出てないと思うんですけど。ケンケンパとかも何もないところに◯を書くことで生まれるし、プラス自分たちでいろんなルールを考えて、もっと難しく、もっと楽しくって。そういう方がすごくいいですよね。環境として何もなかったから考えてたんでしょうね。何にもないところに子ども達ほっとったら、どうなるんでしょうね。やってみたいですね。笑

一尾:猪子さんはどんな人?

馬渡:こだわりは人一倍強いと思います。大人だとビジネスとして割り切るっていうことを人間ってすごい覚えるじゃないですか。割り切らないっていう。笑

一尾:笑

馬渡:すげーいいなぁって思います。作品に対してもどうしたらもっとできるか、もっと良くなるかっていうことを「できた」「満足」の先に常に考えてます。猪子すごい面白くて、作品が完成するじゃないですか。「お絵かき水族館」もかなりクオリティー高いと思うんですけど、さらにそこからもっともっと深めていこうといつも言っていて。商業的に言うと、作品っていろいろ作っていかないと来年ないよね?ってなっちゃうじゃないですか?でも、猪子はこの作品をもっと良く、もっと深く掘っていくことへの意思と情熱が尽きないのがすごいなって思いますね。普通は終わりって思っちゃうところで終わらないのがすごいですね。

一尾:今回の『チームラボアイランド 踊る!美術館と、学ぶ!未来の遊園地』を体感してチームラボに入りたいと思った子ども達は何をすればいいですか?

馬渡:とにかく何か一つ、超プロフェッショナルになるっていうのが近いかもしれないですね。なんでもいいから。僕らの世代って受験のために勉強する、学校で隣の子と点数を競うっていうことが教育だったんですけど、今の子たちって平均点取らなくてもいいよっていう時代になってきてると思うんですよ。高度経済成長のときって平均点取る子たちを増やすのが国策だったと思うんですけど。今はある程度、豊かだから何かができなくたって他の何かがすごくできれば、世の中的にも生きていけるはずなんですよね。そういう人たちが集まって補い合って違うクオリティーのモノを造り出すことがこの先の世の中なのかなっていうのをチームラボとしても思っていて。だからチームで何かを創ることに対してバリューが発揮できる人材になるっていうのが一番の近道ですね。チームラボとしてはですね。でも世の中としてそうなった方が良いと思うんですよね。

一尾:最後に「チームラボアイランド 踊る!美術館と、学ぶ!未来の遊園地 @大分市美術館」に来たいと思ってる子ども達にメッセージをお願いします!

馬渡:実は大人の方にこそ観てもらいたいというのもあって。ずっと言い続けてるんですけど、チームラボの作品の良さって、よくあるアートの楽しみ方とは違うと思っていて、絵画だと作家さんの歴史とか技法とかバックグラウンドっていうのを知ってる人ほど楽しめると思うんですけど、チームラボって、何か面白そうなのがあるよねっていう感じで来てもらって、観てもらって。普段、全然美術館に行かないっていう人が、ここで「めっちゃ感動した!」って言ってもらえるのが一番嬉しいんですよ。美術館は堅苦しくて行けないっていうお父さん、お母さん、お子さんたちが来てもらえたら本当に嬉しいです。大分でたくさんの人たちに観てもらいたいです。

 
 
【開催日】
2016.07.15 fri - 09.25 sun
※
休館日:9.12 mon、9.20 tue
 
【時間】
10:00 - 18:00
※最終入場は17:30まで
 
【会場】
大分市美術館 企画展示室1、2
大分県大分市大字上野865番地
 
【料金】

当 日 一般:1500円、高校生・大学生:1200円

前売券 20人以上の団体・一般:1300円、高校生・大学生:1000円

ペア割チケット(ローソンチケット、チケットぴあ、セブンイレブン限定)・一般:2600円、高校生・大学生:2000円

※中学生以下無料(学生証等をご提示下さい。)

※小学生以下は高校生以上の保護者同伴が必要(但し保護者1名につき小学生以下の同伴数は4名を限度とします)

※ぺア割チケットはローソンチケット、チケットぴあ(セブン-イレブン)限定販売

※身体障害者手帳、療育手帳、精神障害者保健福祉手帳提示者とその介護者は無料

※本展観覧料でコレクション展(常設展)も併せてご覧になれます。
※「大分市美術館年間パスポート」お持ちの方は1回目の観覧料は無料、ただし期間中2回目以降の観覧料は1000円になります。
チケット販売所(前売券販売は2016年6月1日~7月14日まで)
ローソンチケット Lコード:83333

チケットぴあ Pコード:990-306

トキハ会館、トキハ別府店、TOS ハウジングメッセ、大分市美術館
 
【お問い合わせ】
097-554-5800(大分市美術館 美術振興課)、097-537-5515(TOSテレビ大分 営推事業部)
 
【主催】大分市美術館、TOSテレビ大分、チームラボアイランド2016大分実行委員会

【共催】大分合同新聞社
【後援】シティ情報おおいた、エフエム大分
【特別協賛】ヤクシングループ

【協賛】ぺんてる株式会社
 
 
 
チームラボ/teamLab
プログラマ、エンジニア、CGアニメーター、絵師、数学者、建築家、ウェブデザイナー、グラフィックデザイナー、編集者など、デジタル社会の様々な分野のスペシャリストから構成されているウルトラテクノロジスト集団。アート・サイエンス・テクノロジー・クリエイティビティの境界を曖昧にしながら活動している。47万人が訪れた「チームラボ 踊る!アート展と、学ぶ!未来の遊園地」などアート展を国内外で開催。他、「ミラノ万博2015」の日本館、ロンドン「Saatchi Gallery」、パリ「Maison & Objet 20th Anniversary」など。2月は、シリコンバレー「Pace Menlo Park」、3月は、イスタンブール「Borusan Contemporary」、オーストラリア「Martin Browne Contemporary」、5月は、バンコク「Central World」で展覧会を予定。