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映画の一刻 ~日常とシネマの旅~ 第九便「カフェ・ド・フロール」 2015.5.23sat - 6.5fri by シネマ5

大分の中心市街地、五番街にひっそりと佇む小さな老舗映画館、シネマ5

メジャーな映画ではなく、いわゆるミニシアター系の映画を上映している映画館だが、その映画選びは個性的。

一時期東京でも流行った、ファッション的要素の強いミニシアターではなく、どこか日本の奥ゆかしさを秘めている。

個性的な映画選びだが、ちゃんと幅広い層が楽しめるようにもてなしてくれる。

そして何より空間が素晴らしい。

そのシネマ5副支配人である大西さんにシネマ5&シネマ5bisで上映される映画の中で超個人的にオススメな映画を紹介して頂く、映画の一刻(ひととき) ~日常とシネマの旅~。

第九便目は、『カフェ・ド・フロール』

どうぞ、お楽しみください!

大西明美さんへのインタビュー記事はこちら。 http://yadorigi.jp/magazine/70

第九便『カフェ・ド・フロール』

※ネタバレも含まれますので、映画をご覧になったあとに読むのもいいかもしれません。

「映画の一刻」9回目。
今回は『カフェ・ド・フロール』
 
運命の出会いって本当にあるんです。いや、どうだろう。
どんなに障害があっても必ず出会う、魂が引き合うパートナーが現れる、それは運命なんだ、って…そんなことあるのだろうか?
 
 
さて今月のシネマの旅は『カフェ・ド・フロール』です。
1969年のパリで幼い息子を育てるシングルマザーの物語と、現代のモントリオールで運命の出会いで結ばれようとする男女の物語の、2つの時間を行き来しながら、一見何の繋がりもないように思えるものがやがて衝撃的な想いのようなもので惹かれあっていく運命を描いています。
 
 
1969年のパリ。美容師をしながらダウン症の幼い息子を育てることが生きがいの母親。周りからどんな風に思われようと永遠に息子を守り続けようとする親子の固い絆で、寄り添いながら生きています。毎日、ふたりで家に帰ってくると母親が夕食の準備をする間、いつも息子は名曲「カフェ・ド・フロール」を聞いていました。
 
 
この45年前のパリの親子の姿は、フラッシュバックのように現在のモントリオールで暮らすある女性の見る夢のようでもあります。
 
この女性は、運命の人に出会い結婚をしました。そして2人の娘を授かり幸せな暮らしをしていました。夫はその女性(妻)が運命の人=ソウルメイトだと思っていました。それなのに毎日少しずつ夫は自分の日常が色あせていくことに疑問を感じていました。そんな時、目の前に現れたひとりの女性にひと目で恋をしてしまいます。大切な人は妻のはずなのに。。。ですが夫はその気持ちにまっすぐに従い、その惹かれあった女性と暮らし始めるのです。一方、元妻は離婚のショックから立ち直れないまま精神的に不安定になって行きます。元妻は思っています「私と彼は運命で結ばれているのだから、離れるはずはない」と。夫もそんな元妻のことが気になりながら、でも彼にはわかっていました。妻ではなく、今一緒に暮らしている彼女が自分のソウルメイトなのだと。
 
なぜ、そんなにはっきりわかるのか・・・物語は、時空を超えて絡み合った運命が解きほぐれた時、迷うことなくソウルメイトに出会うのだと言っています。そして片方には偏愛的な執着と運命のイタズラが待っていることも。
 
人は断ち切れない想いを胸に、自ら決して癒やすまいと心の傷をなんども引っかくことがあるのではないかと。そんな想いにとらわれる切ない愛の物語です。
 
 
 
ちなみに、この映画『カフェ・ド・フロール』は、随所に謎や時空を飛び越えた不思議な演出が多く見られます。この「カフェ・ド・フロール」とはパリの有名な老舗カフェの名前ですが、それをイメージしてイギリスのエレクトリック・ミュージシャン、マシュー・ハーバートが作曲した曲です。1969年にまだマシュー・ハーバートは生まれておらずこの曲がこの時代に流れることは実際にはないはずだけれど、いつかどこかで聞いたような懐かしさに囚われるこの曲で、映画を見ている私たちも時空を超えた物語に迷い込んでしまいます。
 
さらに映画『カフェ・ド・フロール』の情報として付け加えるなら、アカデミー賞を受賞した「ダラス・バイヤーズクラブ」のジャン=マルク・ヴァレ監督作品であるだけに、作品の質は高く、主演のヴァネッサ・パラディの演技も心に残ります。
 
さあ、シネマの旅に出かけましょう。運命の糸口を繋ぎとめるために・・・。
 
 
大西明美
 
 
 
 
 

監督|ジャン=マルク・ヴァレ
出演|ヴァネッサ・パラディ、ケビン・パラン、エヴリーヌ・ブロシュ、エレーヌ・フローラン、マラン・ゲリエ
配給|ファインフィルムズ
2011年/カナダ・フランス/120分
http://www.finefilms.co.jp/cafe/

© 2011 Productions Cafe de Flore inc. / Monkey Pack Films

 
 
【上映期間】
2015.5.23(土) - 6.5(金)
 
【上映時間】
上映時間はシネマ5のホームページでご確認ください。
 

【会場】

シネマ5bis

大分市府内町3丁目7−7

TEL 097-536-4512 / FAX 097-536-4536

オフィシャルサイト http://www.cinema5.gr.jp