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カモシカと青空 第九話「戦う操縦士」サン・テグジュペリ by カモシカ書店

2014年5月、大分市中央町に誕生したカモシカ書店

古本を中心としながら新刊も取り扱い、カフェとしても気軽に利用できる癒しの場。
フードアナリスト木村真琴さんの手作りケーキやこだわりのコーヒー、水曜日のネコというフルーティースパイシーな珍しいビールもお楽しみ頂けます。
定期的に本だけに留まらない知的好奇心を刺激するイベントを開催。
 

そんなカモシカ書店の店主、岩尾晋作くんのコラム第八話です。

オムニバス的に一冊の本を紹介していく人生の短編集。

どうぞ、お楽しみください!
 
岩尾晋作くんへのインタビュー記事はこちら。 http://yadorigi.jp/magazine/157
 

なお、紹介されている本は実際にカモシカ書店で購入することができます。

※すでに売切れの場合もありますので、ご来店前にカモシカ書店へお問い合わせください。

 
 
 
 
第九話「戦う操縦士」サン・テグジュペリ
 
 
カモシカは1歳になりました。ありがとうございます。
さて、私にとって開業2年目というのは当たり前だが初体験で、いくつか考えたり悩んだり苦しんだりしていることがある。
 

最近感じるのはまず何と言っても体力的に落ち着いてきたこと。
落ち着いてきたというより、(後ほど自戒するのでここでは言わせてほしい)すごく楽になってきている。

1年目は何もかもが初めてで、明日をも知れず、どきどきと、わくわくと、ひたすらもがき進む日々の繰り返しだった。
毎日の営業はもちろん、取材や、来客などあらゆる変化球に無様にも必死に応えていたと思う。

開店から閉店まで、何が起こるかわからず、スタッフと毎日がトライ&エラー。
毎日まいにち記憶がなくなるぐらい走り回っていた。

2年目というのは1年目と確実に違う。

いろいろ違うが最も顕著なのは常に去年と比較対照できるということではないだろうか。
別にいちいち比較対照しなくてもいいのだが、できてしまうということは、比較などしようもなかった1年目とはもう本質的に異質なものである。

それは登山で言うと知っている山の新たなルート、ということになるだろうか。
山の全容とまではいかなくとも、どんな山か知らなくはない。
一寸先も闇であった日々とは精神的にも体力的にも、疲労の仕方がまったく違うのである。

当たり前のことを言うと、ここから更に成長を、ビジョンを、とかそういう話になるのだろうが私はそういう話をしたいのではないのだ。

私がいま一番悩むのは人格についてである。
どうも最近精神的に弱く、弱いというか、強くないように思う。
強くなければお話にならなかった去年に比べてとても弱い、というのが正確な言い回しかもしれない。
それはそれで人間的でいいのかもしれないが、私は苦しんでいる。

昔なにかで読んだが、信念を持たないやつはだめだ、みたいな言葉がある。
そんなことはたいした言葉ではないがこの次がおもしろい。
しかし自分の信念を疑ったことのないやつはもっとだめだ。
これは結構すごい言葉だとわたしには思える。

独立するまでは、独立が目標で、いつもそのことばかり考えていた。
立ち上げたら立ち上げに必死でただ明日のことだけ考えていた。
今、余裕があるわけでもなんでもないのに、心に隙間があるのだ。

アウトプットが続く中、インプットしたい、という欲求なのかもしれない。
あるいは少し疲れているだけなのだろうか。
無性に人と話したいのである。
未来や、希望や、孤独や、不安について語りたいのである。

ある意味ではカモシカから、カモシカだけではない広い世界に強い関心があるのかもしれない。
それはそうだがそれだけでもない。

もっと走ったり体を鍛えたり勉強の時間をとったり好きな人とゆっくりしたりしたいのである。
そして大分の未来を語り創造できる同志たちと出会い大きく胸を張って呼吸したい。

何に悩んでいるのか判然としない文章ですなあ。
私はカモシカを九州を代表する本屋にしたい。県外や国外から来てもらえるような。
県民が県外で、大分にはカモシカがあることを話してもらえるような。
そのためにやることは結構目に見えている。
やればいいのだ。

ゲストハウスと古着屋と名画座をやりたい。カモシカ出版をしたい。
同エリアぎゅっと詰め込んで、街角の奇跡を起こしたい。
そして県内ツアーを組んで県外、国外の人に旅を提案したい。

この時代にここでしかできない仕事をしたい。

でもそれがどうした? と常に問わねばならないのかもしれない。
何度もなんども心を折り、立ち直り、その度に強化されるような思想を持ちたい。

最終的に、ただ、やさしく生きた、愛した、と言えればそれでいいのかもしれない。
事を成す、ということにあまり捉われずに実業をやっていけたらいいなと思う。
そういう気持ちを軸にして提案できるものがあるように生きていきたいと思う。

10代20代、随分悩んで、今、その自分なりの答えを生きている。
徹底して悩んだのだ。そのことによる軸は今ぶれることはないはずなのだが
別にぶれてもいいのかもしれない。
より柔軟になって立ち直れるとしたら。

30代の悩みは、まだ始まったばかり。
高い志、深い世界観、自省と自律。
立派に生きていきたいと思う。
至らない自分となんとか向き合いながら、一歩ずつ。
同じ一歩を繰り返すことだ。

私のお守りのような言葉を最後に掲げよう。

「君は、君の行為そのものの中に住む。君の行為、それが君なのだ。

 君は、それ以外のところに君を見出さない」

「重要なのは、単に、書類或いは息子の救出であり、病気の全治であり、

 敵手の死であり、発明なのだ! 君と言うものの意味が、まばゆいほどはっきりと
 現れて来るのだ。それは、君の義務であり、君の怨恨であり、君の愛であり、
 君の誠実さであり、君の発明だ。君は、君の内に、それ以外の何ものも見出さないのだ。」

以上、今回は『戦う操縦士』についてでした。

いわおも戦います。もとい、愛します。

                    文:岩尾晋作

「戦う操縦士」

サン・テグジュペリ

1,980円[絶版本・希少]

~ カモシカ書店 ~

 古本 新刊 喫茶

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11:00 - 22:00

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月曜日

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大分県大分市中央町2-8-1 2F

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