九重町民劇場20周年記念公演『このこえ』

台風一過の休日、iichikoグランシアタで行われた稽古を見学してきました。
先ずはピアノの生伴奏での歌稽古。この舞台のために作曲された曲は、どの曲もとても雰囲気があって、、、贅沢!
時間の都合でクライマックス直前でその日の通し稽古は終わったのですが、飽きのこない展開と臨場感のある台詞…
今回の作品は日々の稽古がこの芝居の内容へダイレクトに影響します。
出演者の日々の生活を知っている人、これまで共演してきた人、過去の九重町民劇場作品に関わってきた人、演劇に関わったことのある人の心に鮮烈に響くのではないでしょうか。
そして登場人物はみんな生活者なので、演劇をしたことのない人にももちろん、感動が届くこと請け合います。

そんな本番直前のアツい稽古場を運営し、6~74歳の27人をたばねてきた代表の時松さんへ、4つの質問をしました!

作・演出の市村さんへのインタビューはこちら

子どもメンバーの愛嬌がさく裂

 

1 いよいよグランシアタの公演が近づいてきましたが、稽古の様子はどうですか?

公演まで2週間をきりました。昨日やっと衣装がすべてできあがり、舞台セットもなんとかめどが立ちほっとしているところです。
稽古については、今回演出の市村さんが1ヶ月に1度東京から集中稽古に来られて、あとは自主稽古という今までとったことのない形で進めていますので、不安があるのは事実です。演出の求めているもの、めざしているものに追いつこうと必死なのに、追いつけていない感があります。仕事や学校という本業を抱えながらのキャストが、稽古で全員そろうことは難しく、もどかしさをを抱えながらも稽古だけは地道に重ねてきました。
自分たちでは、どのくらいの完成度か全くわかりませんが、自分のいただいた役を舞台で生きるという覚悟を、1人ひとりが持ってきたという実感はあります。
本番まで、いままで通り真摯に役に向き合っていきたいと思っています。

広い舞台に負けない迫力を!

 

2 九重町民劇場として、今回の20周年記念公演はどう位置付きますか?

この20年を振り返って、よくここまで続けてこれたと我ながら感心しています。もちろん、続けるに当たっての壁は大・小さまざまありました。
その前に立ちはだかる壁を一つずつ乗り越えていったら、いつのまにか20年たっていたというのが実感でしょうか。
今回の公演も20周年という気負いは一つもありません。20周年だから特別というつもりもありません。今までの作品と同じように、観てくださる人に共感していただけるような作品にしたいという思いだけがあります。
強いていえば、最近増えてきた若い世代の仲間が、これからの九重の文化を支えていけるように、またこれからの町民劇場の核となってほしいという密かな思いがありますが、決して無理強いはしたくはありません。あくまでも本人たちの意志を尊重したいです。
毎年の舞台も、この作品をやってみたいという思いがあるメンバーが集まってやれればいいと思っています。もし、誰もいなければやめるとかお休みすればいいのです。絶対に続けなければという思いでやってきたわけではないので、続いてきたのかもしれません。これからも気負わずやっていきたいと思っています。

生伴奏に合わせて進む稽古

 

3 この舞台のめざすものは?

毎年、九重の伝説や歴史等を取り上げ、必ず九重に根ざした作品をおとどけしてきましたが、今年は、九重町民劇場を取り上げた作品です。九重町民劇場の歴史であるようで、そうでもなく、今までのエピソードのニュアンスが入っていたり、誰かの本当の言葉が入っていたりというなんとも、わくわくするバランスの作品となっています。
作品にちりばめられたテーマは様々です。九重を愛する心であったり、自分の人生を生きることであったり。この舞台で何を受け取るかは観る人それぞれでいいと思います。それもこの作品のテーマですから。
ただ、舞台を見終わったときに、自分の大事な家族やふるさとのことを思い出してもらうことができたらうれしいと思います。

気合を入れて!パッションを届ける!!

 

4 上演へ向けてひとことお願いします

今回の作品は、 先日大分市で上演された舞台「ハンディ」を観ていただいた演出・脚本の市村さん、音楽監督とピアノ演奏の中島さんのファンの方はもちろん、町民劇場をこれまでずっと応援してくださっている方にも、今回初めて観ていただける方にも、絶対に楽しんでもらえる作品だと思います。
大分県民芸術文化祭の開幕行事としてグランシアタの大舞台で、出演者みんなで熱く自分の役を生きます。
ぜひ、その生き様を観に来てください。

通し稽古開始前に全員で順にハグをするメンバー
舞台セットも完成間近


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