なぜそのようなことをしようと思い立ったのかというと、きっかけの一つは北九州市小倉の魚町商店街で開催された「リノベーションスクール」に参加したことです。魚町を中心とする小倉の中心市街地では、小倉出身の建築家、大学の教員、カフェオーナーなどが中心となって「北九州家守舎」を設立。「リノベーションスクール」という、実際に不動産オーナーさんに物件を提供してもらい4日間程のスクールプログラムを設定し、多世代多属性のスクール参加者と第一線のリノベーション実践者によって現実にリノベーション可能なアイディアや収益モデルを完成させるという催しを核に、官民一体の体制で、「リノベーションまちづくり」が進んでいます。大分市にとってはライバルかもしれない近隣都市でそのような実践が進んでいるのを目の当たりにして、大いに触発されました。 また、私は青木茂建築工房という事務所の出身なのですが、青木茂さんはリノベーションのなかでももっともハードな用途変更と構造的改変を含む外科手術的なリノベーション~リファイニングと呼んでいる~を得意とする建築家で、私もスタッフとして超ハードなリノベーションに取り組んで七転八倒しながら設計実務や技能を習得してきました。
ですから、建築的外科手術は自分にとっても本来は得意技なのですが、7年の修行の後独立してからしばらくは、実はあまりリノベーションには手を出さないようにしてきました。その難しさやハードさや儲からなさを痛感してきているからです(笑)。しかしながら、リノベーションスクールに参加したり大分のまちづくりに参加する中で、やはりリノベーションは面白いしこれからの時代に避けては通れない課題だと観念するに到りました。「ああ、これはもうやるしかないか」と。どうせやるなら師匠の真似だけでは面白くないから、独自の方向性を積み上げてゆきたいと思います。
DABURA *URL dabura.info
Design for Architectural and Biological Urbanization Research Associates
[ダブラ/建築学的、生物学的都市生成のための設計研究組織]
共同主宰 光浦高史