映画の一刻 ~日常とシネマの旅~ 第24便『タリーと私の秘密の時間』2018.09.22sat – 09.28fri @シネマ5bis

大分の中心市街地、五番街にひっそりと佇む小さな老舗映画館、シネマ5。
メジャーな映画ではなく、いわゆるミニシアター系の映画を上映している映画館だが、その映画選びは個性的。

一時期東京でも流行った、ファッション的要素の強いミニシアターではなく、どこか日本の奥ゆかしさを秘めている。

個性的な映画選びだが、ちゃんと幅広い層が楽しめるようにもてなしてくれる。
そして何より空間が素晴らしい。

そのシネマ5副支配人である大西さんにシネマ5&シネマ5bisで上映される映画の中で超個人的にオススメな映画を紹介して頂く、映画の一刻(ひととき) ~日常とシネマの旅~。

今回の旅は、『タリーと私の秘密の時間』
どうぞ、お楽しみください!

『タリーと私の秘密の時間』

今回は、まず予告を見てから、読んで欲しい。

この映画のために18kg太ったシャーリーズ•セロン演じる主人公マーロが言っている、
「20代は最高よ。でもゴミ収集車みたいにすぐに30代がやってくる。」「女は傷をコンシーラーで隠してるだけ」

同感!!
そして、40代はゴミ収集車どころではない。
え、って気がついたら、ゴミ屋敷に住んでいる!!うそ、笑。
でも停滞してる。

おっと、私的感情が入り過ぎて話がずれた。
話がそれたついでに、ちょっと個人的なお話。

7年前、仕事のゴタゴタで私の仕事が倍増していた頃。
自分の生活が自分でコントロールできず、体も心も疲れ果ててめちゃくちゃ。
そんなある日突然、友人Tがバランスのとれたお弁当を届けてくれた。
ダンナの弁当を作るついでだから!と彼女は言ってくれたけれど
弁当は数ヶ月間、平日の毎日!届いた。
その弁当は時々笑顔のキャラ弁だったりして、
精神的にかなり参っていた私を救ってくれた。
大げさでなく、命の恩人!

まるで、今回の映画の中のタリーのように。
なんでそこまでしてくれるのか、私には不思議でしょうがなかった。
でも、思い返すといつも苦しい時に、なぜか私は友人たちに助けられる。
いまだに切迫詰まっていると、命のスープや、お弁当の差し入れだったり、
家までやってきて一緒に部屋を片付けてくれたり。
私には感謝しかないけれど、でもでも、なんでこんな私に、、、と不思議。

そんな不思議なものに、この映画は近い気がする。

ーーーーーー

本題に戻ろう。
今回のおすすめ映画『タリーと私の秘密の時間』。

アラフォーの主人公マーロは、2人の子育て真っ最中で、さらに3人目を妊娠中。
あれもこれもすることは山積みなのに、全然片付かない。
そして、3人目の子どもが生まれ、全てを完璧にしようとすればするほど
うまくいかず、ついに爆発!
そんな時に、兄夫婦の提案で夜だけやってくるナイトベビーシッターを雇うことに。
夜10時半、やってきたのは20代のタリー。
ファッションもメイクも今風の彼女だけれど、仕事は完璧。
タリーに心を開き、内に積もった愚痴を少しずつ発散もできるようになってきたマーロ。
そして、、、。

ーーーーーー

世の女性たちは、みんな頑張っている。
子育てをしながら働いている女性なら、息つく暇もないほどだと思う。
それでも、頑張らなければ!と目一杯踏ん張ってしまう。
それは、きっと愛する誰かを想ってのこと、だったはずが、いつの間にか笑顔が消えて、忙しさだけが押し寄せて残る。
義務に押しつぶされて、それをこなすだけで一日が終わる。

独身の私が言うのもおかしいけれど、
この映画を見て、頑張り屋さんの女性たちに、
マーロと一緒に自分をケアして欲しい。

日常をサボって、この映画をぜひ!

『タリーと私の秘密の時間』
監督|ジェイソン・ライトマン
出演|シャーリーズ・セロン、マッケンジー・デイヴィス、マーク・デュプラス、ロン・リビングストン
配給|キノフィルムズ
2018年 / アメリカ / 95分

【上映期間】
2018.09.22(土) – 2018.09.28(金) 〈1週間限定〉

【上映時間】
昼12:10〜1:55  夜6:35〜8:20

【会場】
シネマ5bis
シネマ5 大分市府内町2丁目4-8  / シネマ5bis 大分市府内町3丁目7−7
TEL 097-536-4512 / FAX 097-536-4536
オフィシャルサイト http://www.cinema5.gr.jp

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