大分の中心市街地、五番街にひっそりと佇む小さな老舗映画館、シネマ5。
メジャーな映画ではなく、いわゆるミニシアター系の映画を上映している映画館だが、その映画選びは個性的。
一時期東京でも流行った、ファッション的要素の強いミニシアターではなく、どこか日本の奥ゆかしさを秘めている。
個性的な映画選びだが、ちゃんと幅広い層が楽しめるようにもてなしてくれる。
そして何より空間が素晴らしい。
そのシネマ5副支配人である大西さんにシネマ5&シネマ5bisで上映される映画の中で超個人的にオススメな映画を紹介して頂く、映画の一刻(ひととき) ~日常とシネマの旅~。
今回の旅は、『アデライン、 100年目の恋』
どうぞ、お楽しみください!
第十四便『アデライン、100年目の恋』
今回の映画の一刻は、まさに日常とシネマの旅。
今の私たちの日常は、少しでも若くありたいというアンチエイジングな流れですが、もしそれが現実になったとしたら、嬉しいですか?
。。。。。
今回ご案内する『アデライン、100年目の恋』は、奇跡的な出来事をきっかけに、29歳から年を取らなくなってしまった女性アデラインが主人公。
1908年1月1日生まれのアデラインは、21歳で結婚。フレミングという一人娘に恵まれます。
ある日、ある事故によって、29歳の彼女の身体は時間の影響を受けて老いることがなくなってしまうのです。
そして、2014年。100歳を過ぎても、身体は29歳のまま若々しく元気。
そんな彼女の前にハンサムな青年が現れ、どんどん惹かれていくアデライン。でも、彼と一緒に年齢を重ねてゆけない彼女は、その恋に一歩前に踏み出せない。
愛する人に出会ったというのに。
。。。。。
これはもう、文句なくエンターテイメントで、きらびやかで、楽しい映画です。
何と言っても映画の造りがしっかりしていて、カメラワークから音楽、衣装、メイク、そして演出までもが安定している。こういう映画を見た方がいい。
宣伝文句とタイトルは、よくありそうな雰囲気で、とにかく美人のハリウッド女優ブレイク•ライヴリーが主演。そしてなんと重要な役割を果たす脇役がハリソン•フォードときたら、ちょっとだけ駄作的匂いが漂う気がする人もいるはず。
でも、違うんです。安定している作品というのは。
それがこの映画です。
ハリソン•フォードの演技は、今話題の超大作「ス◯ーウォー◯続編」より、きっとこっちの方が味がありますって。余談ですが。(まだ、「ス◯ーウォー◯続編」は見てないけど 笑)
とにかく『アデライン、100年目の恋』は、
Xmasから新年にかけて、本当にお薦めの作品です。
。。。。。
と、これで今回の原稿が終わったら、あれあれって思う方はいるのでしょうか?
『アデライン、100年目の恋』は、本当に面白いから、これで素直に終わっていいとも思うのですが、、、もう少しひねくれてみます? 笑。
よく考えて。
突然、29歳から老いることがない身体になって、自分の「死」というものを考えなくてよい人生に、世界でたった一人なったとしたら。
私たちはいつかは「死」がやってくると、気がつかないふりをしながら、頭か心かのどこかで薄々承知しながら暮らしている日常がある。それが人生の全ての局面において消える。身体が老いていくことがないので病気にならないだろうし、シミもシワも白髪さえでてこない(たぶん)。一時的には嬉しい。
でも、一方で限りがあるものに美を感じることのある私たちは、どう生きればいいのかわからなくなるんじゃないかと思う。
一日を過ごし夕陽を眺め終わりを想う。終わり…それがあるからこそ頑張る人もいる。友人の人生が終わりを告げ、それを見送りながら、悲しみの中に楽しかった日々が美しく蘇り、いつかは自分にも訪れる終焉を重ねることもあるだろう。それは限りあるものが存在する世界で生きていればこそ。
アデラインはどうだろう。
年老いた両親や知人を見送っただろうし、愛犬の寿命に何度も涙しただろう。一人娘はすっかり年老いておばあちゃんとなり、母親である自分が娘を看取るときが近づいている。思い出と孤独だけが隣人のような人生がもうすぐやってくる。
そんな時に、心ときめく恋が始まる予感がしたら。
あなたなら、どう行動する?
映画を見る前も、見た後もいろいろと想像がめぐる、まさにSFエンターテイメント。
これこそ日常を逸脱した映画のひとときです。
ま、美形だからこそ、成り立つかも。と
皮肉がつい出てしまいますが。
その美しさを含めて、この冬のお薦めです。
『アデライン、100年目の恋』
監督|リー・トランド・クリーガー
出演|ブレイク・ライヴリー、ミキール・ハースマン、ハリソン・フォード、エレン・バースティン
配給|松竹
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2015年/アメリカ/113分
adaline100.jp/
【上映期間】
2015.12.19(土) – 2016.01.08(金)
【上映時間】*2016.01.02(土)からの上映時間は、劇場へお問い合わせを。
12.19(土)〜12.25(金)
朝9:40 昼2:20 夜6:40
12.26(土)〜2016.01.01(金)
朝9:45 昼2:25
【会場】
シネマ5bis
大分市府内町3丁目7−7
TEL 097-536-4512 / FAX 097-536-4536
オフィシャルサイト http://www.cinema5.gr.jp