2023年1月14日(土)、18日(水)、20日(金)の20:50〜、3日間限定で映画『雨の詩』がシネマ5にて上映決定!
静寂なき現代にあらわれた“魔術的映画体験”
都会から移住してきたジンと地元民テラを主人公に、日本の片隅で静かに生きる男たちの自給自足生活が描かれている。
彼らが住む家として劇中で使用された「アースシップMIMA」は、環境への負担軽減が期待されるオフグリッドハウス(公共のインフラを必要としない建物)である。そんな異世界の空気感を漂わせる家で、のんびり生活をする彼らの日常は森や川の音につつまれ、大地と繋がっている。
ノスタルジックかつ四次元的な映像が、あなたを自然の暗闇へと導き“魔術的映画体験”へと誘う。
Story────
〜どう生きるか? いま自然に訊ねる〜
自然に配慮した生活をするジンとテラは、雨水をろ過し生活 用水に変える循環機能をもった「アースシップ」という家に 住みながら、自給自足の生活に挑んでいる。都会から移住し てきたジンは、地元民のテラから狩りなど田舎での暮らし方 を教わり、文学や詩を楽しむように自然を理解していく。 自分たちで野菜を作り、自然の中で生きることに意義を感じ ていたふたりだったが、次第に関係がギクシャクし始めてい たのであった。
未来へフィルムをつなぐ
世界が注目の次世代監督による“和製”スローシネマ!
デジタルが主流になった映画製作現場で、フィルム撮影を貫きつづける監督の蔦 哲一朗(『祖谷物 語-おくのひと-』)は絶滅危惧種的な映像作家である。彼の叙情的な自然描写を追求する姿勢やフィルムに対する情熱はヨーロッパやアジアの映画祭で注目されている。そんな彼の最新作は、 16ミリ白黒フィルムの特性を最大限活かした神秘的な映像が評価され、マルセイユ国際映画祭に招待された。日本の僻地で育った異端児は、かつてタルコフスキーやタル・ベーラ、蔡明亮などが 確立した「スローシネマ」をアップデートしようと挑みつづけている。
蔦 哲一朗
1984年生まれ・徳島県出身。 上京して東京工芸大学で映画を学び、2013年に徳島・祖谷(い や)地方を舞台にした映画『祖谷物語-おくのひと-』を35mmカ ラーフィルムで制作。東京国際映画祭をはじめ、トロムソ国 際映画祭(ノルウェー)で日本人初となるグランプリを受賞する など国内外で数多くの映画祭に出品され話題となった。ま た、BFI(英国映画協会)が2020年に発表した各年を代表する日 本映画において、2013年のベストワン映画に選出。その後、 祖父である池田高校野球部元監督・蔦文也のドキュメンタ リー映画『蔦監督-高校野球を変えた男の真実-』を発表。 地元・徳島への貢献と、映像を通して自然の美しさを伝えるこ とをテーマに活動している。現在は新作長編映画『黒の牛』 を2023年公開に向け準備中。
自給自足する家 <アースシップ>とは
アースシップとは、ゴミとなった古タイヤや空きビン、空き缶 を建材として使用し建設された「インフラを必要としない循環型 住居」のこと。
雨が少なく、気温が極端に高い砂漠地帯でも快適 に暮らせるように設計され、室温は外の気象状況に関係なく21°C 前後を保つ。また、屋根から吸収した雨水はろ過され、生活用水として使用できる。
さらに、生活で消費した水は床下を通り、室内の植物を自動的に育てる。特徴的な大きな窓が、朝陽、夕暮 れ、星空、雨の音といったすべての自然を楽しませてくれる。 アースシップは1970年ごろアメリカ人建築家マイケル・レイノ ルズによって提唱され、現在世界中に2000棟以上建設されている。
人類が生き残るために、電力、水、食料を提供し、安全で快適な宇宙船のような家にしたいという想いが「Earthship」という名に込められている。本作に登場する「アースシップMIMA」は日本で初めて建設されたアースシップで、徳島県美馬市の山合いに誕生した。徳島に移住した清水智子氏が発起人となり、世界中から協力者が集結し2019年8月に完成した。
現在はゲストハウスとして宿泊や見学が可能。雑誌やWebサイトなど数多くのメディアで取り上げられ、地方の新しいライフスタイルとして注目されている。
アースシップMIMA
HP:https://www.earthshipmima.com/
『雨の詩』(英題:Song of Rain)
2021年/日本/ビスタサイズ/5.1ch/モノクロ/45分 出演:須森隆文、寺岡弘貴
監督:蔦 哲一朗 プロデューサー:増渕愛子 撮影監督:青木 穣 録音技師:佐々井宏太 制作進行:辻 秋之 助監督:久保寺晃一 撮影助手:石井綾乃/村上拓也 製作・配給 ニコニコフィルム
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文化庁「ARTS for the future!」補助対象事業
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